
あなたが見ている限り真実は生き残る
8月2日(SAT) / 19:45
【日本初公開】
原題:WHILE WE WATCHED
2022年製作/作品時間94分
撮影地:インド
製作国:インド、イギリス
インド人のテレビ局NDTVでニュースキャスターを務めるラヴィシュ・クマールはマスメディアでは異端の存在。他局のほとんどが政権を持ち上げナショナリズムを煽る発信を繰り返す中、社会から弾圧されたり無視されたりしている人々に寄り添った報道を続けている。他局はこぞってラヴィシュの報道姿勢を批判し、扇動された視聴者はラヴィシュに殺害予告を送りつけた。NDTVへの圧力もエスカレートし、渾身のスクープは電波障害でテレビに映らない。局内では解雇や退職が続き、番組制作が難しくなるほどの人手不足に陥った。他局がナショナリズム一辺倒の報道を続ける中、5年に1度の国政選挙が行われる。権力に対するマスメディアの姿勢を問いかける作品。
監督:ヴィナイ・シュクラ
プロデューサー:ヴィナイ・シュクラ、クシュブー・ランカ、ルーク・W・ムーディ
エディター:アビナフ・チャギ
撮影:アマーン・シェイク、ヴィナイ・シュクラ
◆政権に屈したメディアが煽る民族間対立◆
2014年のモディ首相が就任して以降、インドではナショナリズムが加速してきました。最も顕著なのが、国民の8割を占めるヒンドゥー教徒にとって最大の宗教的ライバルといえるイスラム教徒への「弾圧」です。イスラム教徒が多いカシミールは2019年に自治州から中央政府直轄に格下げされ、抗議するジャーナリストや活動家を当局が拘束しました。モディ政権はマスメディアへの圧力も強化。屈したメディアは政権への批判をやめ、「ムスリムがインドを支配しようとしている」と民族間の対立を煽る報道を繰り返しています。民主主義国家を名乗るインドですが、言論の自由さえも危ういという現実があります。
(映画賞/映画祭)
2022年 トロント国際映画祭(TIFF) Amplify Voices賞受賞
2022年 釜山国際映画祭 Cinephile賞受賞
2022年 ニューヨークドキュメンタリー映画祭(DOCNYC) 監督賞受賞
2022年 アムステルダム国際映画祭(IDFA) FRONTLIGHT賞受賞
2023年 ヘルシンキドキュメンタリー映画祭(DOCPOINT) 最優秀国際ドキュメンタリー賞受賞
2023年 MOSAIC南アジア国際映画祭(MISAFF) 金賞受賞
2023年 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 ONE WORLD映画祭(ルーマニア) オフィシャルセレクション
2023年 INDIE MEME映画祭(IMFF) オフィシャルセレクション
2023年 MOVIES THAT MATTER映画祭(デンマーク) オフィシャルセレクション
2023年 コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭(CPH:DOX) オフィシャルセレクション
2023年 ジョーバーグ映画祭 オフィシャルセレクション
予告編
登壇者紹介

堀 潤
ジャーナリスト
1977年兵庫県生まれ。ジャーナリスト/株式会社8bitNews代表取締役 / 株式会社わたしをことばにする研究所代表取締役。
立教大学文学部ドイツ文学科卒業後、2001年NHK入局。「ニュースウォッチ9」リポーター「Bizスポ」キャスター等、報道番組を担当。カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員を経て、2012年、市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、2013年4月1日付でNHKを退局。現在は、TOKYO MX「堀潤Live Junction」のMCをはじめ、ABEMA「ABEMA Prime」、読売テレビ/日本テレビ系「ニュースジグザグ」などに出演し、国内外の取材や執筆など多岐に渡り活動中。
「Forbes Japan」オフィシャルコラムニスト。2019年から、早稲田大学グローバル科学知融合研究所招聘研究員に就任し、SDGsフロンティアラボで官民の枠を超えたイベントや情報発信を企画している。2020年、自身で監督、出演、制作を行った映画「わたしは分断を許さない」を公開。2024年より8bitNewsの地域グローバルスタジオの運営も。2025年2月、集英社インターナショナル新書から『災害とデマ』を出版

伴野 智
株式会社アジアンドキュメンタリーズ 代表取締役社長 兼 編集責任者
2018年8月に動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」を立ち上げて以来、ドキュメンタリー映画のキュレーターとして、独自の視点でアジアの社会問題に鋭く斬り込む作品を日本に配信。ドキュメンタリー作家としては、映文連アワードグランプリ、ギャラクシー賞などの受賞実績がある。