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霧の中の子どもたち

8月3日(SUN) / 17:40

【日本初配信】
原題:Children of the Mist
2021年製作/作品時間92分
撮影地:ベトナム
製作国:ベトナム

 

北ベトナムの山間に暮らすモン族の伝統的風習、「嫁さらい」に巻き込まれた14歳の少女の一部始終をカメラが追った。主人公のジーは学校に通いながら、家業の藍染めや農業、家畜の世話などを手伝う。父親は一日中酒に酔っていて、母が生活を切り盛りするため、子どもは大切な労働力でもあるのだ。春節の祭りの日、ジーはヴァンという少年と懇意になり、彼の家に連れ去られた。母親はジーを取り戻そうとするが、「嫁さらい」に親は関与できない。結婚を迫るヴァンと拒むジー。騒動は学校や両家の親族まで巻き込んで、二転三転してゆく。現代においても女性の人権を認めない、伝統的価値観が根強く残るモン族の社会を描いた作品だ。

監督:ハー・レ・ジエム
編集:スワン・ドゥビュス
プロデューサー:スワン・ドゥビュス、トラン・フォン・タオ
 
<作品の見どころ・社会問題提起>
◆伝統的風習が変化し、誘拐婚・児童婚として現代に残る◆
ベトナム戦争を経て、ベトナムは社会が急速に近代化する一方で、民族の伝統的な生活や価値観は今も根強く残っています。独自文化と伝統を持つ少数民族のモン族 (Hmong)には、嫁を「さらって来る」風習があります。本来は、結婚に合意した男女があらかじめ示し合わせて、日時と場所を知らせた上でさらいに行き、女性の家族が男性からの贈答品を受け取ると結婚が成立する「儀式」のようなものでした。しかしこの風習が次第に変化し、男性が気に入った女性を無理やり連れ帰り結婚を迫る「誘拐婚」が増えてきました。娘が連れ去られても親が連れ戻せないないのがモン族のルール。女性は結婚を拒みたければ自力で逃げ出さなければなりません。「嫁さらい」はモン族で児童婚率が高いことの理由の一つとされています。
アジアでは「誘拐婚」や「強制結婚」といった文化が地域によって今もなお存在しています。モン族の結婚風習における未成年の結婚・児童婚は文化の一部ではあるものの、女性の人権や教育の機会を奪う要因ともなっています。特に少数民族の間では、家族の絆や伝統を重んじるため、若い女性の意思が尊重されない強制結婚のケースに繋がっています。


(受賞歴/映画祭)
2021年 アムステルダム国際映画祭 最優秀監督賞受賞
2022年 DOCAVIV国際映画祭(イスラエル) 最優秀国際映画賞受賞
2022年 香港国際映画祭 審査員賞受賞
2022年 ミュンヘン国際映画祭(ドイツ) SOS-Kinderdörfer賞受賞
2022年 DOXA映画祭(カナダ) 長編ドキュメンタリー賞受賞
2022年 グアナファト国際映画祭(メキシコ) 最優秀国際ドキュメンタリー作品賞受賞
2022年 コーク国際映画祭(アイルランド) シネマチックドキュメンタリー賞受賞
2022年 台湾国際ドキュメンタリー映画祭 Next Generation賞受賞
2022年 ザグレブ映画祭(クロアチア) Little Stamp賞受賞
2022年 Cinema du Reel映画祭(フランス) クラレンス賞ヒューマニスト・ドキュメンタリー映画製作賞受賞
2023年 ベトナム映画祭 最優秀監督賞受賞
2023年 ベトナム映画祭 Golden Lotus賞受賞

 

​予告編

登壇者紹介

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宇多丸(ライムスター)

ラッパー/ラジオパーソナリティ

1969年東京都生まれ。ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパーで、TBSラジオ(月~木)の22時から生放送されている、ワイド番組『アフター6ジャンクション2』を担当するラジオパーソナリティ。1989年、大学在学中にMummy-Dと出会い「ライムスター」を結成。日本ではまだヒップホップ/ラップが浸透していない中で、「日本語でラップをするための方法論」を模索、曲作りとライブ活動で試行錯誤を繰り返して、今日にいたる日本のヒップホップシーンを開拓/牽引してきた。また2007年にTBSラジオで番組が始まると、ラジオパーソナリティとしてもブレイク。中でも愛ゆえ本音で語りおろす映画評は、現在も続く人気コーナーに。近作にライムスターアルバム『Open The Window』(2023)、単行本『森田芳光全映画』(2021)ほか。

https://www.rhymester.jp

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吉井 千周

椙山女学園大学 外国語学部 教授

椙山女学園大学外国語学部教授。専門は法社会学・マイノリティ法学・ジェンダー法学。タイ北部とアメリカでモン族の固有法と法化現象を調査。「周縁の声」が制度にどう映し出されるかを問い続け、少数民族、人権、市民運動、公害まで射程を広げて研究している。チュラロンコン大学社会調査研究所、チェンマイ大学少数民族研究所、富山大学等を経て現職。著作多数。

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主催:株式会社アジアンドキュメンタリーズ 

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